LGBTQ+って?

私(婦人科医)は、医師会の性教育医師バンクに登録して、年に2回くらい秋田県の中高生へ ”性教育” を行っております。自分自身が性教育を受けた時は、ジメジメした暗いイメージだったので、なるべく分かりやすく、興味持ってもらえるよう努力しており、毎回それなりに好評です(笑)。

ここ10年くらい、LGBTQ+の説明から授業を開始しております。”性の決定するものは? 心の性、体の性、好きになる性、自分を表現する性などがあり、性はグラデーションである(男と女を完全に区別することは難しい)””LGBTQ+は全人口の8%くらいで、左利きやAB型のひとより多い”、”世の中にはいろんな人がいる(多様性)、いろんな人がいるのは当たり前でそれを受け入れることが大切” などといった内容でお話しております。メディアではジェンダーレスの内容が増え、国会でも「LGBT理解増進法」が成立(2023年6月)されており、今さらかなと思っても、中学生までは浸透してないこともあるようです。生徒さんの感想分の大半はLGBTQ+についてで、純粋に知らなかったことや、自分や周囲の性について考えるきっかけになったことなどが書かれております。妊娠、避妊、性感染症などのお話しもしますが、生徒さんの反応をみていると、LGBTQ+や多様性の説明は省いてはいけないなと思います。

”LGBTQ+, 多様性” の説明の最後にお話していることは、”今の日本社会では多様性の理解は不十分のため、だれもが受け入れられる社会は皆さんが作ってください。” とお願いしております。実際、先生たちの受け入れはさまざまで、設備や環境を整えることや、生徒を受け入れること自体に否定的な方もおりました。分かってはいても、今までの常識を変えていくのはなかなか難しいのだなと思います。私自身が社会を変えていくことはできませんが、今後大人になる子供たちに少しも役に立てるよう、”性教育” を続けていきたいと考えております。

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